2010年5月19日水曜日

気逸らしと認知的再評価の神経基盤

Kateri McRae, Brent Hughes, Sita Chopra, John D. E. Gabrieli,James J. Gross, and Kevin N. Ochsner 2010 The Neural Bases of Distraction and Reappraisal Journal of Cognitive Neuroscience 22:2, pp. 248–262

気ぞらしと認知的再評価は2つの共通した認知的感情制御の方略である。脳機能画像研究は、これらがそれぞれ認知的制御に関与する前頭前野と感情反応を媒介すると考えられている辺縁系の交互作用によるものであることを示唆している。しかし、これまで直接的に気ぞらしと認知的再評価を比較した研究はなく、これらら異なる神経メカニズムや感情の結果をもたらすかは不明瞭である。本研究は気ぞらしと認知的再評価を検討し、共通点と相違点を見出した。双方ともネガティブ感情や扁桃体の活動の減少と前頭前野と帯状回の活動上昇がみられた。気ぞらしと比較して、認知的再評価はネガティブ感情を減少させ、感情と関連した脳領域の活動増加がみられた。認知的再評価と比較して、気ぞらしは扁桃体の活動減少と前頭前野と頭頂領域の活動上昇がみられた。これらの結果は気ぞらしと認知的再評価は注意や認知に関与する神経システムが異なっており、その結果感情の結果も異なることを示唆する

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