2010年6月29日火曜日

脳機能画像研究における疑陽性の統制方法について

Craig M. Bennett1, George L. Wolford2 and Michael B. Miller 2009 The principled control of false positives in neuroimaging Soc Cogn Affect Neurosci 4 (4): 417-422.

脳機能画像研究は大量の変数を扱うため、統計結果の疑陽性は大きな議論の的になる。FDRやFWEのような疑陽性の確率を推定する補正を行うと、補正なしの結果で出た領域が一つも残らないことがある。もし、あるJournalに乗った論文が補正なしの結果で、自分のデータが補正して何も残らなかった場合、Journalに乗っている論文が世間に受け入れられることになり、その後の結果の再現性が困難になる。そのようなことを勘案すれば、補正を行った研究で示された結果を基本的には参考にすべきであろう。
高インパクトファクターのJounralに乗っている脳機能画像研究のうち、補正なしのデータは約30%だが、脳機能画像研究全体では約60%が補正なしの論文である。
しかし、FWEなどの補正を行うことについては、得られる結果がConservativeになりすぎるという声もある。われわれは、補正なしの結果を載せる場合には、補正を行った場合の結果も併記することにより、読者が疑陽性の可能性を含めて公平に論文を読むことができると主張したい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ツイート @freeroll_をフォロー