2011年4月6日水曜日

瞳孔の反応を用いたうつ病に対する認知療法の予後:有用性と神経活動との相関

Remission prognosis for cognitive therapy for recurrent depression using the pupil: utility and neural correlates.
Siegle GJ, Steinhauer SR, Friedman ES, Thompson WS, Thase ME.
Biol Psychiatry. 2011 Apr 15;69(8):726-33.

うつ病患者の60%は認知療法に反応するが、臨床ではどの患者が認知療法を受けるべきかを知るための標準的なアセスメント方法を持っていない。安価で非侵襲的な指標により、患者は適切な治療を受けるように方向付けることができる。感情情報に対する瞳孔反応は辺縁系の活動と遂行機能を反映する良い候補である。本研究では1)治療前のネガティブ情報に対する瞳孔反応の測定が認知療法による改善と関連するかを検討し、2)それらの脳機能との関連を検討した。
我々は32人のうつ病患者の感情刺激に対する瞳孔反応が16~20セッションの認知療法の予後を予測するかを検討した。20人の患者はfMRIで同様の課題を行った。瞳孔反応は50人の健常者でも計測された。
症状の寛解の程度は治療前の症状が軽症であることとネガティブ刺激に対する瞳孔反応の低さと症状が重症であることのコンビネーションと関連していた(87%の確率で寛解と非寛解を分別、93%の感度、80%の特定性;88%の正確性で重症の患者を類別、90%の感度、92%の特定性)。瞳孔反応の増加は遂行機能、感情制御と関連したDLPFCの活動の増加と相関していた。
感情制御に由来する遂行機能障害の障害による症状の重症度は瞳孔反応の低下の持続によって示され、認知療法の寛解のための重要な鍵となるだろう。これらのメカニズムは安価で非侵襲的な心理生理学的アセスメントによって測定可能である。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ツイート @freeroll_をフォロー