2011年5月25日水曜日

パニック障害の認知行動療法の後のトリプトファン減少の効果

Rapid tryptophan depletion following cognitive behavioural therapy for panic disorder. 2011 Psychophamacology

本研究の目的はパニック障害に対するCBTに治療反応を示した患者の急性のトリプトファン減少(Rapid tryptophan depletion:RTD)の効果を検討することである。RTDによってパニック症状の喚起による不安症状がベンゾジゼアピン阻害薬より上昇すると予測される。9人のCBTを受けたパニック障害患者はトリプトファンフリーのアミノ酸ドリンクとプラセボを飲む日を二重盲検で割り当てられた。さらにベンゾジゼアピン阻害薬とそのプラセボを別の時間に飲んだ。RTDとベンゾジゼアピン阻害薬の効果には交互作用があり、RTDに割り当てられ、CBTに反応した患者はベンゾジゼアピン阻害薬によるパニック症状の喚起によって不安症状が上昇した。パニック症状はRTDの有無の影響を受けなかった。この結果はCBTに反応を示した患者のRTDに対する脆弱性を示唆している。

うつ病のCBTで同様の研究があったが、その論文ではRTDの効果は無かった。この研究ではパニック症状そのものはRTDの影響を受けなかったので、RTDによるセロトニン系の脳部位の機能低下が不安を上昇させたと考えられる。

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