2011年6月24日金曜日

グルココルチコイドは消去ベースの心理療法を促進する

Glucocorticoids enhance extinction-based psychotherapy 2011 PNAS

不安障害に対する曝露療法は恐怖消去に依存すると考えられている。前臨床試験においてグルココルチコイドが消去を促進することが示されていることから、我々はこれらのホルモンが曝露療法を促進するかを検討した。2重盲検のRCTにより、40人の高所恐怖症の患者をヴァーチャルリアリティによる曝露療法で治療した。20mgのコるちぞーるとプラセボを治療セッションの1時間前に毎回投与した。被験者は最終セッションの3-5日後と1カ月後に治療後のアセスメントを行った。コルチゾールを投与した群は質問紙による高所恐怖が治療後、フォローアップ双方でプラセボよりも減少していた。さらに、コルチゾールを投与した群はヴァーチャルエクスポージャー中の急性の不安とフォローアップ時の皮膚伝導水準が有意に低下していた。これらの結果はコルチゾールが曝露療法の効果を促進することを示している。

D-cycloserineによる増強療法と同系統の研究。記憶の変容を促進する薬物なら何でも曝露療法を増強するのかもしれない。しかし、SCLしか図っていないが、記憶の変容過程と促進の脳機能を測定しておけば、薬物を使わなくても特定の脳機能を刺激することにより曝露療法を促進できるのではないか。

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