2011年9月3日土曜日

消去中のイメージによる書き直しを加えることでABAの復元効果減少を導く

Adding imagery rescripting during extinction leads to less ABA renewal 2011 Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry

消去は条件づけられた恐怖反応を減少せしめるのに非常に有効だが、消去の文脈外での恐怖反応の再発はしばしば生じる。本研究では、消去手続き中のイメージによる書き直しがUSの価値を下げ、単なる消去よりも復元効果が減少するかを検討した。70人の学生が恐怖条件付けパラダイムに従事した。CS+はUSが後に必ず出現し、CS-はUSが後に全く出現しなかった。全ての群において恐怖獲得は文脈Aで行われた。CS+,CS-に対する消去においてはUSは双方とも出現しなかった。3つの群で消去手続きを異なる文脈Bで行った(ABAデザイン)。4つ目の群では復元効果を検証するために恐怖獲得の際と同じ文脈Aで行った(AAAデザイン)。消去手続きの際には被験者はUSの価値を下げるようなイメージによる書き直し(ABAir)、イメージの全般的な影響をみるためにUSと関連のないイメージ(ABAcont)、そして、全く教示を行わない(ABAno、AAAno)のどれかに割り当てられた。その後文脈Aにおいてテストを行った。USの予期の評価による復元効果はABAirはABAnoよりも減少した。そして、ABAirではUSの価値下げが生じ、USの心的表象が変化したことを示唆した。これらの知見は、条件付け理論に沿うというだけでなく消去中のイメージによる書き直しが不安障害の治療に有用であることを示唆している。

正直に言ってSCRの反応が変わっていないので、データとしては不十分な結果だと思う。また、長期的な効果も分からないので復元効果を長期的に妨害するのかは不明である。ただ、Reconsolidationを妨害する際にこのようなUSの書き直しがどういう効果を持つのかは興味深い。

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