2011年11月2日水曜日

全般性不安障害と大うつ病性障害の感情処理の潜在的制御における共通した異常と疾患特異的な補償作用

Common abnormalities and disorder-specific compensation during implicit regulation of emotional processing in generalized anxiety and major depressive disorders. 2011 American Journal of Psychiatry

不安障害と大うつ病性障害は、両方とも感情の処理と制御における異常が関連している。しかし、神経科学のレベルではこれらの共通点と相違点はほとんど明らかになっていない。本研究では、観察可能な行動指標と不安障害とうつ病に関連した辺縁系ー前頭領域の活動を伴う刺激を用いた感情不一致課題を用いた検討を行った。32人の対照健常者と18人の全般性不安障害の患者、14人の大うつ病性障害の患者、25人の全般性不安障害と大うつ病性障害の併存する患者が、顔表情の分類を単語のラベリングを無視して行う感情不一致課題を行い、fMRIの測定を行った。ここでは、不一致の制御に関する試行間の変化を行動指標と神経活動で比較検討した。行動指標からは、全般性不安障害を有する患者に感情の不一致の潜在的制御の失敗がみられた。対照的に、VACCと扁桃体の活動と結合性の異常が全患者群で示された。しかし、大うつ病性障害のみの患者ではこの活動の低下が、外側前頭前野の活動によって補償され、これらの活動は行動指標で示される潜在的制御の成功と相関していた。これらの結果はVACCと扁桃体における不安障害と大うつ病性障害の共通した異常を示しており、遺伝疫学的に共通していることと関連していると思われる。うつ病における認知的制御の補償的作用は、潜在的レベルでも生じうる障害と補償作用の相互作用による精神病理学的に複雑な性質を示唆していると考えられる。

認知課題においてうつ病で前頭前野の活動上昇が補償作用として生じることが有りうるという点は、解釈としては脳をフルに使わないと課題ができないということか。今後引用されることが多い論文になるかもしれない。

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