2012年9月24日月曜日

再固定化の妨害によるヒトの扁桃体における恐怖記憶の痕跡の削除

Disruption of reconsolidation erases a fear memory trace in the human amygdala. 2012 Science

記憶は側きされると不安定になる。ヒトとげっ歯類は同様に、再活性化された恐怖記憶は消去訓練に伴う再固定化の妨害によって減少する。fMRIを用いて我々は条件付けされた恐怖記憶が固定された後に、恐怖表出を予測する扁桃体外側基底に再活性化と再固定化が残した恐怖痕跡と、それが脳の恐怖回路における活動と連合していることを見出した。対照的に再活性化に後続した再固定化の妨害によって恐怖が抑制され、記憶痕跡の消失と恐怖回路のコネクションの減少がみられた。よって、げっ歯類によって示されてきたように、恐怖記憶の良く性が再固定化の行動的な妨害の結果であり、ヒトの扁桃体に依存したものであることは、進化に伴って保持されてきた記憶更新メカニズムであることを支持している。

おととしのSchiller et al 2010をfMRIによって追試した論文。やはりこういう先端かつCBTの根幹となるメカニズムに迫る研究には大きな魅力を感じる。

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